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不況から学んだことアリバ最新ホワイトペーパー

不況から学んだ教訓: 契約管理

世界的不況は、企業のビジネスのやり方に大きな影響を及ぼしました。バイヤーとサプライヤ間でやり取りされる取引が、契約書に基づいて行われていることを考えれば、契約を管理する部門ほど不況の煽りを受けた業務はなく、契約管理に注目する企業は従来になく増加しています。それらの企業は、取引全体の中で契約管理する取引の割合を増やすことでリスクを回避してコストを削減し、コンプライアンスを高めて効率化を図ろうとしています。企業が契約管理のライフサイクルを自動化することに関心を集める中、独立系評価会社や契約管理ソリューションを提供するベンダーの多くが、これに同調しています。

今日の経済社会でビジネスを成功させるためには、「新たな標準」を理解し、そのことを受け入れていく必要があります。この考え方をうまく取り入れた会社だけが、次世代のリーダー企業として市場での地位を高め、利益を生むことができるでしょう。こうしたリーダー企業にとって、契約管理は競争力強化の武器となるでしょう。また反対に、契約管理がなければ、景気が上向いても、業績を回復させるのはかなり難しいといえるでしょう。

現在の契約管理業務は、2008年夏の終わり頃と比較して何が違っているのでしょうか。契約管理に関し、アリバのお客様や契約管理分野における先進的な企業リーダーの方との協議から、以下のことがわかりました。

1.より機敏になる

不況から脱した企業の最大のテーマは、「人」と「技術」のリソース(資源)で、これまでより機敏になることです。景気が後退し始め、失業率が倍増し、人員削減した職業の大半は再雇用の計画がないことを多くの企業が明言しています。つまり、より少ない人的資源でより多くの利益を出すためには、核となる能力に焦点を当てる必要があることを意味しています。特に契約管理は、今後派遣スタッフで人員を補充することが多くなると思われます。専門性の高い派遣社員を使うことで、多くの事務的作業や非戦略的な仕事を処理することができるようになるからです。

技術面では、新世代のSaaSソリューションが提供している契約のリポジトリ管理や検索、レポート作成、編集、交渉といった効果の高いツールを、オンデマンドで利用することができます。オンデマンドソリューションは、短期間で開始でき、総費用(TCO)も低く安く、使用した分に対して支払うという課金方式で、一般的な契約業務プロセスに合わせて設定変更することもできます。

2.取引先との関係構築

2009年度は、史上最悪の倒産率となりましたが、そんな中、取引先サプライヤとの関係を回復することは急務とされています。バイヤーは、利益が出なくなるまでサプライヤを締め上げることはできません。サプライヤにとっても、約束したサービス品質を維持できないのであれば「お得意様」になれず、また多くの商品が不況の煽りを受け、在庫を抑制し、厳しい経営状況のまま市場に取り残されてしまう状況になるでしょう。契約条件をどの程度受入・却下をしているのかというサプライヤ評価方法では、契約開始の時点で両社の関係が悪くなっていきます。今日の厳しい経済環境において、今後数カ月から数年における業績悪化を避けるためには、売る側と買う側の両者にとって利益のある契約を交渉し、実行することを目標にすべきです。

では、どうすればこの考え方を実践することができるのでしょうか。ひとつの効果的な方法は、契約条項を見直して、本当に重要なものと、ある条件の元で変更・破棄できるものに仕分けすることです。最も頻繁に更新されている条文を洗い出すことで、取引先サプライヤにとって厳し過ぎる、あるいは履行困難な条件であるかがわかるでしょう。頻繁に更新されている条項は、修正あるいは代替条項を作成し、関係者間でリスクを公平に分配するようにしましょう。バイヤーとサプライヤの関係が相互に柔軟になれば、さらに前向きな関係になることは間違いありません。

3.「契約管理」から「コミットメント管理」へシフトする

IACCM(International Association for Contract and Commercial Management)の社長兼CEOであるTim Cummins氏は、企業は契約の交渉・締結において注力すべきところを誤っていると長年訴えてきました。契約の交渉、履行はもちろん重要な事ですが、それよりも契約で交わされた条件(コミットメント)や取引先との関係にもっと目を向けるべきだとCummins氏は感じています。なぜなら、取引先との約束は、ビジネスの基幹となるからです。つまり、契約書管理を省力化し、取引先との条件を管理することに注力すれば、より良い結果を出すことができるからです。Cummins氏は、彼のブログ「Commitment Matters:コミットメントが大事(http://tcummins.wordpress.com/) 」(英文)の中で、この件についてさらに詳しく考察し、その他関連事項についても語っており、戦略的な契約管理に取り組もうとしている企業にとって優れた情報源になります。

契約管理の自動化というと、契約文書やその作成、契約交渉にまず関心が集まりますが、テクノロジーを利用することによって、バイヤーとの条件(コミットメント)を遵守し、サプライヤにとってもコンプライアンスを強化し、バイヤーとの取引関係を管理できるというメリットがあります。自動化することによって、契約管理プロセスや取引関係が見える化され、コンプライアンスの管理及びそれを評価することが可能になります。契約管理処理を自動化していない企業は、契約管理におけるアプリケーションを拡張し、自動化に取り組む際には、是非目標とそのアクションについて検討し直してみて下さい。また、Cummins氏は、次のように述べています。

「契約は、単なる権利保護の源ではなく、価値提供の源だと認識されつつあります。契約管理は、もはや管理するためだけの静的なツールではなく、変化にプロアクティブに対処するための動的な規律だといえます。その実現は、契約条件や契約交渉にかかわる様々な戦略、ポリシー及びプラクティスの基盤として欠かせません。トップレベルの企業は、既にこのことに気付き、組織構造や取引先のサプライヤ管理方法を見直そうとしています。」

IACCMの見解についてさらに詳しく知りたい方は、こちらから最新記事をご覧ください。 http://www.iaccm.com/loggedin/library/nonphp/New_values_in_contracting_v2.pdf

4.リスク管理との折り合いをつける

不況となった今、リスク管理について注目されるようになりました。当たり前のことですが、契約管理においては、リスク管理とのバランスをとることが重要です。取引先とのビジネスに内在するリスクを回避できる最適な方法は、適正な責任のバランスを模索し、利益を最適化できる取引関係を築くことです。例えば、短期間、最小金額でさほど重要でない品目の契約に、他の重要な契約と同じ時間をかける必要はないのです。

また、リスク回避の一般的な方法のひとつは、まずサプライヤをセグメントに分類、評価し、特に主要商材については、そのセグメントにおいてリスクを分配し、サプライヤの倒産リスクを回避することです。例えば売買契約の場合、戦略的に契約管理を実践している企業に共通しているのは、契約ポートフォリオ全体のリスクを評価していることです。主観的な意見ではありますが、個別の契約リスクを評価することができれば、ポートフォリオのリスクが高いかどうか判断することができます。

5.可視性と透明性を重視する

ある情報によると、7割もの企業が、契約や契約条件、契約更新、契約プロセスへの可視性がないことを認めているということですが、この状況は多くの分野で致命的な影響が出ることになります。

まず
1. リスクを検知し、回避すること
2. 契約更新、契約期限などの重要な期日を管理すること
3. バイヤー、サプライヤの両方の観点からサービスレベルの達成状況を監視し、サプライヤの実績を評価すること
4. 契約やリソースを段階毎に追跡管理することです。

どんな企業でも、一元的に中央管理された電子的なリポジトリを持つことは、基本要件です。

6.他の実装方法を検討する

IT予算がこれまで以上に抑制され、予算確保が厳しい中、企業の技術投資は、ERPプラットフォームであろうと、CRMのツール、または契約管理ソリューションであろうと、次の3つの要件を重視するでしょう。1. 利益が生じるまでの時間、2. 機敏性、3.  革新性です。これら3つが満たされなければ、どんなIT投資の案件であっても社内承認される可能性は低いといえます。
今日の財務環境では、SaaSやオンデマンドでテクノロジーを利用する形態は、企業のファイヤウォール内にソフトウェアをインストールするのと比べて、非常に大きな成功を収めています。これは、SaaSが3つの要件を全て提供することができるからです。高価なソフトウェアを購入、導入してから、それをエンドユーザーが使えるようになるまで数週間から数ヶ月も待つことと比較すれば、プロバイダやサードベンダーがソフトウェアをホスティングしているURLへアクセスすれば、たった数時間で利用開始することができるのです。初期投資も抑えることができる上に、プロバイダがソフトウェアをホスティングしているため、技術革新をより迅速にソフトウェアに反映し、それをエンドユーザーに提供することができます。

今日、SaaSが多くの企業に受け入れられているのは、この革新がキーとなっているからです。以前はソフトウェア製品を更新するには、製品を購入してから変更を加えなければならず、高い費用を支払ってリソースを投入することが多く、またそのアップグレードではさらにコストが膨らみました。今日のトップレベルのSaaSソリューションは、高度なコンフィギュレーション能力を提供し、利用者が必要な変更を加えられるようになっています。今日のオンデマンド環境の多くは、新しいCRM案件に基づいて契約編集のワークスペースを作成し、外部の購買システムと連携して、契約のコンプライアンスを価格レベルで追跡管理するなど、あらゆることが実行可能です。このように、異なるシステム間でデータとプロセスが統合されれば、ユーザーはプロセスやデータが見える化され、価値とメリットを高める次世代の能力を持つことができます。

7.全社レベルで契約管理に取り組む

契約管理は、昔からサイロ化しやすい性質の業務であり、通常は業務機能毎の縦割りになっています。購買部門は、買う側の契約にフォーカスし、営業は売る側、ITは知的財産権、人事は社員との契約にのみフォーカスされてきました。しかし、法務・契約管理の部門は、あらゆる部署と協業することを求められており、業務縦割りのバラバラなソフトウェアに反対をしているとすれば、その理由は、おそらくこのせいでしょう。最近では、全社レベルで契約管理を総体的にとらえるベストプラクティスのアプローチ方法を採用する企業が増えています。業務をシフトすることで、契約プロセスが標準化され、契約管理のリソースも最適化されるなど、多くのメリットが得られます。契約管理の自動化を検討する際には、あらゆる業務分野の要件をひとつのベンダーで満たせることのできる一元的なアプローチを採用すれば、コストを最小限に抑え、更新管理やトレーニングにかかる労力も最小化することができます。

8.電子署名を活用する

多くの契約管理を自動化するためのソリューションは、契約プロセス全体に対応できるとそれぞれ主張しています。下図のように、契約ライフサイクル管理(CLM)ソリューションの多くは、契約リポジトリや編集ワークフロー、交渉、承認のためのツールを提供していますが、CLMライフサイクル全体で最も重要なステップである契約の実行が、ほとんど考慮されていないといっても過言ではありません。
今日の電子署名ソリューションは、大きな進化を遂げ、法務的な機能や強制力を実現し、企業レベルの機能を提供できるようになりました。電子署名ソリューションを利用して、社内の100% ペーパーレス化を実現すれば、出荷コストの低減、サイクルタイムの短縮、セキュリティの強化だけでなく、CO2排出量も減らすことで環境対策(エコ)にも貢献することができます。実際、電子署名なしに契約管理を自動化することは不十分です。出荷や事務手続きにかかる費用を削減し、契約の交渉サイクルを短縮できることを考えれば、あらゆる業務分野で電子署名の投資対効果が高いことは明らかです。特に売買契約は、サイクルタイムを短縮すれば、より多くの利益を短期間に実現でき、企業利益を改善することができるということからも、その投資対効果は明らかだといえます。

9.変化へのスピード

「The Speed of Change (http://www.youtube.com/watch?v=cL9Wu2kWwSY)」という情報テクノロジーの進歩に関する動画が、You Tubeで人気を集めています。これは、グローバル社会として、かつてない程の速さで進歩し続けており、そのスピードは今後も加速する一方であるという内容です。この動画での中に、2010年に需要のある職業トップ10に入るのは、2004年には存在しなかった職業であるという一節があります。これは契約担当者や契約管理の自動化にとって、どんなことを意味するのでしょうか。その答えはわからないものの、冒頭に挙げた教訓に基づいて考えてみれば、早い流れの中で組織を最適化し、変化に対して機敏でなければならないことは間違いないでしょう。

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