導入事例

海外導入事例 -  タタ・モーターズ社(Tata Mortors社)

タタ・モーターズ社の課題
10年間にわたって強い売上・利益成長を遂げてきたタタ・モーターズ社は、2001年初めに大きな課題に直面しました。タタ・モーターズ社は、商用車の市況産業から手を引くべく乗用車部門への大型投資を行っていましたが、その転換途中、商用車市場が40%縮小し、収益性が急激に減少したのです。さらに市場開放と関税障壁の軽減により、企業間競争が国内外でさらに激化し、タタ・モーターズ社は、競争優位性を回復させ、世界最高レベルの企業になるために、これまでとは異なる経営手法を模索し始めました。今日のタタ・モーターズ社は、世界第4位のトラックメーカーであり、インドの商用車市場で圧倒的なシェアを占めており、乗用車市場でも上位3社に位置しています。

ソリューション
タタ・モーターズ社は、3段階に計画を分けて問題に取り組みました。第1段階では、CQD(コスト削減、品質・納期)の改善にフォーカスしました。第2段階では、インド市場に新製品を投入し、インドにおいて確固たる地位を築くことにフォーカスしました。また、第3段階では、(現段階)国際的に事業を拡大することにフォーカスしました。

2001年、タタ・モーターズ社はアリバと提携し、プロジェクトの第1段階として、購買傾向やビジネス上の制約、コスト削減の可能性を把握するための企業診断を行いました。その結果、直接材支出が車輌1台につき、4分の3近くを占めていたことがわかり、直接材のコスト削減に着手しました。

最初の調達プロジェクトでは、コスト削減効果の見込める商材を特定し、明確なスケジュールを組んで、各チームが横断的に協力し合ってプロジェクトを実行しました。同社は、Ariba Sourcing™ソリューションを導入しただけではなく、アリバのカテゴリ専門コンサルタントによる調達サービスを利用し、3,000件以上のプロジェクトを実行し、900億ルピ (20億米ドル超)の年間支出を管理しました。この段階では、鍛造、鋳造、ファスナー、機械加工、軸受、タイヤなどの直接材、潤滑油、MRO(経費購買)用品などの間接材カテゴリを取り扱いました。また、電子調達における目標達成のために、年間支出が5 ラーク(12,000米ドル)を超えるカテゴリは、優先的にオンライン調達することを社内で義務付け、こうすることにより、電子-調達の社内利用率は飛躍的に高まりました。

また、新しい調達プロセスによってシステムの透明性が高まりましたが、これは、タタ社が重視するビジネスポリシーのひとつでした。今では、Ariba Sourcingを通して調達される全ての支出が、プロセスやプロジェクト主導で行われています。また、調達業務がオンライン化されたことで交渉のリードタイムが短期化され、購買に携わる担当者の人員整理されました。タタ・モーターズ社のAriba Sourcing利用率は、今やアジアで最も高く、世界でも上位5社に入っています。これは、Ravikant氏の強いリーダーシップとP M Telangの完璧なまでの遂行力のもと、電子調達プログラムを効率的に機能させ、2003年までに経営の立て直しを行いました。支出の見える化と管理者による定期的な監視を行うことで、電子調達プロジェクトは経営再建の大きな柱のひとつとなりました。

経営再建後の次の段階は、インドでの地位を確立することでした。これは、既存製品のコストリーダーシップを強化し、新製品にかかる全てのコスト(初期コストから資材コストに至るまで)を徹底的に抑えることで実現しました。これは、新たな競争相手を阻む大きな障壁として役立つという点で重要でした。

2005年、タタ・モーターズ社は小型ピックアップトラックのエースモデルを市場に投入し、インドの小型トラック市場を制覇しました。これは、適正な仕様の製品が、適正な価格と絶好のタイミングで投入されたことが背景にあります。コスト、価格、ポジショニングの組み合わせが、市場に新たなセグメントを形成し、業界構造そのものを変成したのです。同社は、初期コストを抑えるために、125以上の高度な調達プロジェクトを実施しました。これには、大型設備投資となる機械工作センターやモールド、マテハンシステムが含まれ、直接材の中でも特に板金やクランク軸、タイヤ、バッテリーなどにおいて実施されました。また、Aceモデルにおいてはその50~60%を競争的にオンライン交渉するよう徹底しました。これにより、収益性と透明性が高まるその一方でコスト削減を実現するという新たなビジネスモデルを生み出したのです。業界の低い利益率を尻目に、タタ・モーターズ社が高い利益率を維持しているのも当然で、エースやウィンガーなどのヒット車は、全てこのプロセスを通じて生産されたものです。

最終段階では、市場とサプライチェーンの両面において、グローバルビジネスにおける収益性と競争力を築くことでした。これはタタ大宇商用車(Tata Daewoo Commercial Vehicle:タタ・モーターズ社が韓国大宇から買収)の電子調達や、タタ・モーターズ タイ(タイThonburi Automotive社とのジョイントベンチャー)などの新しいジョイントベンチャー交渉の始まりとなりました。今では、価格の競争力強化とコスト削減を目指す経営から、グローバル競争力のある価格でグローバル競争力のあるサプライヤから調達する経営へとシフトしたのです。

タタ・モーターズ社はスペンド・マネジメントから成功のためのベストプラクティスを学びました。まず、最適な投資対効果を得るためには、調達に適したカテゴリを選定することです。供給面での競争性と経営への影響度、導入難易度が、カテゴリの優先順位を決める主な評価ポイントになります。また、コストの多くが製品設計フェーズを超えると固定されてしまうことを実感した同社は、早い段階から電子調達を取り入れました。これは早い段階で材料コストを削減し、最大のコスト削減効果を出すための鍵となります。また、調達プロセスを通して、部門横断的に関係者を参加させることは、プロジェクトの成功には欠かせません。また、適正なツールを使った適正な調達プロセスを理解すること知ることも非常に重要な要件です。 

タタ・モーターズ社について
タタ・モーターズ社は、売上高88億ドルを超えるインド最大の自動車会社です。商用車市場をリードし、乗用車市場でも数多くのセグメントで人気製品を出して上位3社に入っています。また同社は、世界第4位のトラックメーカーであり、世界第2位のバスメーカーです。1954年の創業以来、400万台以上のタタ製自動車が市場に流通しています。従業員数は22,000人で、「最も優れた勤務態度で、最も優れた製品を提供し、最も優れた価値観と倫理観を持つ」社員になることを目指しています。 タタ・モーターズ社について、さらに詳しい情報は、www.tatamotors.com をご覧下さい。

成果

  • 約160億円のコスト削減を達成
  • 約1,900億円以上の支出を管理
  • ROIは7倍強
  • オンライン交渉ツールの高い利用率
  • 見える化と統制の実現